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複合的症例
2025/05/23
脳梗塞後の訪問看護で発見された急激な動作緩慢化と軽度発熱を呈する高齢男性
#訪問看護緊急対応 #薬剤性パーキンソニズム #誤嚥性肺炎 #脳梗塞後合併症 #嚥下障害 #高齢者多剤併用 #休日対応 #神経症状急変などの視点から考える症例
患者情報
79歳男性。パーキンソン病、高血圧症、慢性腎臓病(CKD G3b)、前立腺肥大症の既往あり。3週間前に脳梗塞(右放線冠)で入院、2週間前に自宅退院。内服薬:レボドパ/カルビドパ100/10mg 3×毎食後、アムロジピン5mg 1×朝、バルサルタン80mg 1×朝、タムスロシン0.2mg 1×夕、プロクロルペラジン5mg 2×朝夕(退院時から嘔気対策として追加)、アスピリン100mg 1×朝。ADLは杖歩行自立だが、退院後は易疲労感あり活動量低下。嚥下機能は軽度低下(MWST 4点)。妻と二人暮らし。訪問看護は週2回。
現在の状況
休日午後の定期訪問時、ソファに座ったまま傾眠傾向、声かけにて覚醒するが反応鈍い。妻の話では朝から食欲不振で、「喉に違和感がある」と訴え、水分摂取も減少。発語量減少、構音障害あり。体温37.3℃、脈拍92回/分整、血圧132/78mmHg、SpO2 93%(室内気)、呼吸数22回/分。顔面はやや無表情、仮面様顔貌増強。軽度の頸部硬直あり。右手に軽度の振戦あり。聴診上、右下肺野で fine crackles を聴取。前回訪問時(3日前)より全身の動きが緩慢化。